デリカで行く 南房総 冬

寒冷地住みにとって、冬に花摘みができる千葉というのは、温暖な気候の代表格。

毎年ドライブがてらに、外房まで花摘みに行くのが我が家の恒例行事になっている。

という事で、ことしは車中泊で出かけることにした。

 

近場ということもあり、今回もデリカで出動!

 

 

 

 

朝8時に出発し、海ほたるで休憩してから午前中に千葉入り。

「道の駅うまくたの里」に寄り、まずは腹ごしらえ。

比較的新しい道の駅のようで、店内のディスプレイは野菜などを高い位置に置くなど、

高級スーパーマーケットのようで、ニュース番組で見たことがある「最新のディスプレイ」が実践されていた。

ピーナッツ類の特産品も盛りだくさん。平日でも観光客が多く、人気の道の駅のようだ。

昼食は、奥さんがリサーチしていた、のうえんカフェレストラン「&TREE」で、カフェめしをいただく。

私が食べた「雑穀米のポークカレー」は複雑なスパイスの味わいで、都会的なカレーだった。

そして、のうえんレストランというだけあって野菜が旨い。そして量がたっぷりあるのもうれしい。

奥さんが食べた「いろどり野菜とビーフシチューポットパイのプレート」はいかにも女性が好きそうな一品で、

パイやたキッシュやら、小洒落た品々が少量づつ綺麗に盛り付けられていた。

カフェめしじゃ、腹八分目かと思っていたら見た目よりもボリュームがあって、満腹になった。

 

 

千葉県の久留里周辺は名水の里で、地酒の酒蔵が点在していた。

道端に手入れの行き届いた水汲み場も点在しており、自由に汲んでよいようだ。

少し飲んでみたが、まろやかな水だった。

藤平酒造という店が老舗の有名店らしのだがあいくの休業日だったので、すぐ近くの吉崎酒造という酒蔵の売店に寄ってみた。

こちらも看板などとても歴史を感じる佇まいだ。

売店には飾らない人柄の店員さん(なんとなく家族経営な雰囲気)が丁寧に接客してくれてとても良い感じだ。

旅の最中に飲めるように店の刻印があるガラスのおちょことおすすめの本醸造の小瓶を購入した。

この日は奥さんがちょっと胃の調子が悪いと言い出したので、大事を取って木更津駅近くのビジネスホテルに泊まった。

 

 

 

翌朝、奥さんの体調は無事に復活(ほっとした)

ここから海岸に向い、富津岬にある展望台へ。

この辺はいつも風が強いのだろうか。

何度か来たことがあるのだがいつも風が強い気がする・・。

展望台の上は特に寒くてあまり長いはできなかったが、富士山も見えて360度のパノラマが堪能できた。

奥さんはすこぶる元気で、昨日「道の駅うまくたの里」で買ったピーナツプリンとピーナツチョコをほおばっていた(笑)

 

次は「道の駅 保田小学校」へ。

少し前にマスコミでもちょっと話題になった、休校した小学校を再利用した人気の道の駅だ。

 

行ってみると、「まんま、学校!(笑)」

校庭の跡地らしき場所が駐車場になっており、正面に校舎がバーンと建っている。

校舎の横には体育館を再利用した物産館「きょなん市場」があり、

他の道の駅とは一線を期した個性的な空間が広がる。

校舎内は教室をリノベーションした宿泊施設もあり、窓越しに内部の様子を見ることができる。

黒板やロッカーなど当時の面影が色濃く残っており、ファミリーで泊まったら楽しそうだ。

 

ランドセルや卒業証書などを模したオリジナルの土産物も凝っていて、見ているだけで楽しい。

しかし、奥さんのセレクトはなぜか千葉全域に売ってそうな、普通のちーば君のストラップだった・・

食事処は数か所あったが、学校給食風のメニューが話題の「里山食堂」で、食べることにした。

メニューやイスも小学校風で席に着いた時から、ワクワクする。

ハムカツがメインの保田小給食と房州アジフライ定食をオーダーしたが、

アルマイトのトレー食器、先割れスプーンなど、ザ・昭和の小学校なノリで、かなり楽しめる食堂だった。

私たちよりも年配のご夫婦なども、当時を懐かしんでか、皆笑顔で食事を楽しんでいたようだ・

腹八分目だったので、「カフェ金次郎」で給食の不動の人気メニューだった「あげぱん」を購入。

近くの佐久間ダムが桜の名所で、まだ少しなら咲いているという情報をゲット。

車で数分の距離だったのでピクニック気分でお花見をしながらあげぱんを食べた。

揚げたてだったのでまだほんのり暖かく、当時の給食の冷めきったあげぱんより美味しく感じた(笑)

お腹がいっぱいになり、少し眠気がしてきたが、次の目的地「大福寺」に到着。

 

船形山の中腹に朱塗りの観音堂が鎮座しており、別名「崖観音」と言われているらしい。 

かなり階段を登るのかと覚悟したが、案外すぐに到着したので、ほっとした。

 

下から見上げてもインパクトがあるが、観音堂から見下ろす町並みや海の景色も素晴らしい。

一度で二度楽しめる。

堂内の格天井も鮮やかで、インスタ映えするお寺だった。

 

 

次は、道の駅にも必ず置いてあった千葉の特産品のピーナッツを、

ご当地ならではの専門店で買ってみることにした。

「木村ピーナッツ」という製造・直売店だ。

いかにも工場直売という体の店で、店内には自社製の様々な種類のピーナッツを販売しており、

平日でも観光客でにぎわっていた。

中でもピーナッツソフトはマスト・バイな人気商品のようで、とても純度が高い濃厚なピーナッツ味。

さすが、栽培から商品化まで手掛ける木村ピーナッツの真髄が感じられた。

 

途中海沿いに車を停めるスペースがあったので、昨日買った地酒と木村ピーナッツ製の茹で落花生で、昼間っから晩酌・・いや、昼酌タイム。

 

スライドドアを開けると、気持ち良い潮風が吹いてくる・・

波の音を聞きながら、地場の特産品を味わう。

そして、そのままうたた寝・・・

それが気軽に楽しめるのはやはり車中泊カーならではの楽しみだ。

 

 

 

 

そうこうしていると、いつのまにか夕暮れ時。

曇天でも、空が広い海辺ではドラマティックな夕景が楽しめる。

海なし県在住の私にはこれでも十分に美しい景観で、「海辺の景色」を満喫した。

 

海沿いの温泉宿「花しぶき」の日帰り温泉で貸し切り湯を利用。

千葉には温泉があまりないので、日帰り入浴可能なスポットも限られてくるのだが、

運よく貸し切り風呂が空いていたので、ラッキーだった。

 

テラスに個室もついていて、とてもゆとりがあるしつらえだ。

これなら延長して2時間くらい長居したくなる。が。料金もそれなりなので、1時間で我慢・・(^^;)

温泉の後は少し内陸に位置する「道の駅 鄙の里」に移動して、夕食だ。

今日の夕食は、風呂の前に地元スーパーで買っておいた地魚や、道の駅で買った惣菜、コンビニのおにぎりなどを集めた、通称「収穫祭ディナー」。

デリカに小さなポータブル冷蔵庫を積んでいるので、日中に立ち寄ったスポットで気になる食品を買っておいて、特に食べたい外食が無いときにまとめて味わう、ささやかな食祭だ。

刺身はもちろん新鮮ぷりぷりで、地元料理の惣菜はどこか懐かしい味わい。

見た目はなにやらスーパーのお惣菜を並べたみたいだが、実際の味わいは格別だ。

 

食後は少しネットを見て、夜10時頃に就寝。

 

 

翌3日目の朝、館山市に移動。

途中、海辺の駐車場で海を眺めながらコンビニのパンと、お湯を沸かしてインスタントのコーヒーで朝食。

まだベッドメイクしたまま移動したので、そのまま少しベッドに寝そべってゴロゴロしながら今日の立ち寄り予定の「赤山地下壕跡」がオープンするまで、のんびりと時間つぶしだ。

 

「赤山地下壕跡」とは、館山海軍航空隊赤山地下基地の跡地で、その一部が一般公開されているちょっとマイナーな観光スポットだ。

 

とはいえ総合計1.6kmと国内でも大規模。

しかしながら、建設に関する資料がほとんど残っていないため作られた時期がはっきりわからないというミステリアスな壕なのだ。

 

まずはビジターセンターの役割を担っている豊津ホールという施設で受け付けをして、ヘルメットと懐中電灯を借り、入口の場所を教えてもらってからいざ地下壕へ。

 

 

内部は通路と吹き抜けのホールのような場所をめぐるようになっており、ひんやりしているがかなり湿度は高い。

岩を人力で掘った(削った)あとが壁一面に残され、少し斜めに何段かの地層を見ることができる。

ビジターセンターの人は「地層も見所ですよ」と言っていたが、その通りだ。

 

 

当時は診療所や自家発電所などにも利用されていたとのこと、戦中の厳しい状況科下でこの壕が担った役割は、私たちには計り知れないものがあるのだろう。

次は、南房総最西端に建つ「洲埼灯台」に行った。

 

駐車場は灯台の少し手前の公衆トイレの駐車場にトイレを借りるついでにここに停めてさっと見学した。

住宅街を少し歩き、民家の横の階段を登るとパッと空間が開き、灯台が現れる。

とてもこじんまりとした灯台で、ずんぐりとしたフォルムがなんとも愛嬌がある。

あまり観光化はされていないようだった。

灯台は中には入れずに眺めるだけで、とにかく風が強かった。

 

 

少し走り、海沿いの駐車場で少し休憩。

 

車中でコーヒーを沸かした。

スライドドアを開けると、風が少し冷たいが景色は素晴らしい。

波の音を聞きながら、ぼんやり海を眺めてのコーヒータイム。

やっぱり海沿いの車中泊の旅はいいなぁ・・と、感じる瞬間だ。

 

 

次は海沿いの景勝地「白浜の屏風岩」へ。

浜まで行ってみたが、どれが屏風岩なのかよくわからず、海水の透明度が高い綺麗な岩場。という感じだった。

 

今回の旅で一番楽しみにしていた、食事処「相浜漁港 相浜亭」で昼食を。

漁港の目の前にあり、平日でも観光客で満席状態。

ネットの口コミでは接客に難あり(時間がかかるとか、手際が悪いとか)との書き込みがちらほらあったが、実際に行ってみたらそんなことは無く、いたって普通な待ち時間だった。

そもそも漁村のじいちゃんばあちゃんがメインで仕切っている店に都会並みのお・も・て・な・しを期待するほうが間違っているのだ。

 

金目の煮つけの定食と、刺身と天ぷら、煮魚などの「はらいっぱい定食」をオーダーした。

刺身はもちろんのこと、金目の煮つけは抜群に旨い。甘みが強くふっくらと煮つけられた金目鯛は自分ランキングの中で、トップ3に入るほど気に入った!

価格もリーズナブルでコスパも申し分ない。

駐車場は少し手狭なので、デリカで来て正解だった。

 

南房総の最南端部をぐるりと走って花摘みのメッカ、白浜町へ。

奥さんのテンション、マックス!(笑)

道沿いに花摘みの看板がぽちぽちと見え始めると、なつかしい南房総の風景だ。

毎年花摘みに通いだして、3~4年になるだろうか、我が家はいつも「道の駅 ちくら」の向いにある「千田の花畑」を利用している。数件の花農家が軒を連ねており、その奥には広大な花畑が広がっている。

自由に歩いて、良さげな畑をみつけたら店の人に声をかけて、ハサミとザルを借りる。

ほどんどの花が7本300円なので、7の倍数で好きな花をばしばしと収穫する奥さん。

花狩りというより、「収穫」というほうがしっくりする(笑)

 

 

花摘みのあとは、途中の道の駅で情報を得た「海の博物館」へ。

 

ちょうど「超深海のHADAL WORLD」が開催中で、水深6000m以深の生き物の標本が展示されていた。

 

博物館の最初の方にはタカアシガニや古いふとんのようなダイオウイカのホルマリン漬けが堂々と展示されており、学童向けのほのぼの系博物館の雰囲気が妙に楽しかった。

メインの深海の生き物は大きめのエビのような感じで、なるほどねぇ~・・という、緩い感想しかなかったが、ウニの標本がビジュアル的にとても綺麗で、これをモチーフにしたペーパーウェイトなどがミュージアムショップで売ってたら即買いするのになぁ~と思いながら、標本を眺めていた。

今日はもう岐路に向かう予定なのだが、まだ少し物足りないので立ち寄り湯で温泉でも浴びることにした。

 

先ほどの海の博物館で、勝浦の少し手前まで来ていたのだが、鴨川少し戻って「鴨川グランドホテル」の貸し切り湯で、太平洋を望む露天風呂を満喫。

想像以上に波が大きくて、音もスゴイ。

風呂の位置(高さも)が海に近くて、

波の音が迫力があった。

 

少し雲が多かったが、湯あみにはちょうど良い天候で、千葉の数少ない貴重な温泉スポットは良い〆ポイントだった。

 

 

湯から上がるともう日が暮れ始めていて、夕食はどこにしようか考えながらアクアライン方面に走る。

ほぼ来た道を戻るルートなので、一気に木更津まで走った。

腹が減ってきたがなかなか良さそうな店もなく、思い切って木更津駅前に寄ってみたら、

ガード下に「つけ麺」の電気看板が・・。地元感があふれ出るその佇まいが気に入り、そこに決めた。

 

店内も昭和な風情を感じる「おじさんにとって居心地が良い」タイプの店だ。

看板商品のつけめんと、ラーメン、チャーハン、やきそばをシェアして食べた。

腹が減っていたせいもあるが、特に特徴があるわけでもないのだが、妙に旨い(笑)

看板をよく見ると「中華つけ麺SL木更津店」とある。地元のチェーン店のようだ。

これもまたその地方(郷土)の味。ガッツリ頂いて、〆めしも大満足だった。